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SYNC SLING FAST

街を加速させる合理性

記事: SYNC SLING FAST|街を加速させる合理性

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スリングバッグとの出会い

ずっと好きだった道具

スリングバッグは昔から好きでした。思い返すと、20代の頃にはすでに使っていた気がします。当時はまだスマートフォンも今ほど便利ではなく、小さなコンパクトカメラを持ち歩いていました。財布や鍵と一緒に、必要なものだけを入れて出かける。その身軽さが、自分には合っていました。

昔から、手が塞がるのが苦手でした。荷物を手に持つだけで、動きも判断も少し鈍くなる。だから、バックパックほど大げさではなく、ポケットだけでは足りない。その中間にあるスリングバッグが、ちょうどよかった。

両手は空いたまま歩ける。必要な時には、すぐ荷物へ手が届く。街でも、車でも、旅でも。気が付けば、いつもスリングバッグを選んでいました。

20年以上使い続けても、違和感は残りました。どのバッグも、あと少し足りない。その感覚だけは、ずっと消えませんでした。



 

便利なのに不便だった

フィットとアクセスの矛盾

色々なスリングバッグを使ってきました。1年に1つくらいのペースで買っていた時期もあります。特定のバッグが悪かったわけではありません。どれを使っても、同じような不満が残りました。

一番気になっていたのは、移動のしやすさと荷物の取り出しやすさが、どうしても両立しないことでした。身体にフィットさせれば、歩いている時にバッグは揺れにくい。でも、財布を出そうとすると、身体に近すぎる。逆に緩めれば、荷物には手が届きやすい。でも今度は、歩くたびにバッグが揺れる。結局、どちらかを選ぶしかありませんでした。

僕は歩いている時間の方が長いので、基本的には身体にフィットさせていました。移動中にブラブラする方が嫌だったからです。でも、会計の時だけは違います。財布が出しにくい。レジでもたつく。後ろには人が並んでいる。たった数秒でも、その数秒がずっと嫌でした。

だからといって、出先でベルトを調整することもありませんでした。夏はTシャツ。冬はダウン。服装が変われば、本当はちょうどいい長さも変わります。でも、多くのスリングバッグは、移動中に何度も締めたり緩めたりする前提では作られていません。家を出る前に長さを決めて、帰るまでそのまま使う。それが当たり前になっていました。

でも、色々なバッグを使いながら、少しずつ思うようになりました。本当にそれでいいんだろうか。




なぜ街にはないんだろう

登山ギアの合理性

でも、不思議でした。登山では当たり前のことなのに、なぜ街のバッグにはないんだろう。

バックパックのベルトを締める。緩める。荷物の重さ、歩く場所、身体の状態に合わせて調整する。山ではごく普通のことです。むしろ、調整できない道具の方が怖い。

身体に合わない道具は、すぐに邪魔になります。歩きにくい。疲れる。判断が遅れる。小さな違和感が、行動全体に影響する。だから道具は、身体と行動に合わせて変化できなければいけません。

でも街では、その不自由を受け入れていました。家を出る前に長さを決め、歩く時も、会計する時も、車に乗る時も、そのまま使う。状況は変わるのに、バッグは変わらない。不自然でした。

僕は普段から、バックパックを自分の行動に合わせて改造します。合わないなら、自分で変えればいい。だったら、スリングバッグも同じです。

山で使っている合理性を、街でも使える形にしたかった。SYNC SLING FASTの原点は、そこにあります。




FASTという答え

一瞬で変わる距離感

答えは、思っていたより単純でした。歩く時は締める。荷物を出す時は緩める。終わったら、また締める。山で当たり前のことを、スリングバッグでやればいい。

最初は手持ちのバッグにバックルを付けただけでした。でも、一瞬で締まった時に思いました。「これだ!」手応えがありました。

移動中は身体に固定できる。財布を出す時は、すぐ身体から離せる。我慢していた距離が、一瞬で変わる。派手ではない。でも、単純だからいい。

複雑なものは壊れます。だから仕組みは単純なほどいい。一つのバックルで締める。緩める。それだけで、違う道具になりました。

FASTは、速さだけの名前ではありません。移動する。止まる。取り出す。また動く。その切り替えを一瞬で終わらせる。街での行動を止めない。それが、SYNC SLING FASTの答えでした。



探さないという発想

Wide ViewとSafeSlot

ベルトを一瞬で締められる。必要な時には、一瞬で緩められる。それだけで不満はかなり減りました。でも、まだ足りないと思いました。

バッグは、荷物を運ぶだけのものではありません。中身へどれだけ迷わず辿り着けるか。そこまで含めて道具だと思っています。

開発中には、身体に沿う形状も試しました。移動中の収まりは良くなります。でも、形そのものが身体に沿っていると、ベルトを緩めても中身へ手が入りにくい。移動中はいい。でも、取り出す時に遅くなる。それでは意味がありませんでした。

街では、立ち止まる理由が多すぎます。会計。スマホ。鍵。イヤホン。カメラ。バッグの中を探す時間は、行動が止まっている時間です。

そこで採用したのが、全面ジッパーによる大開口設計です。中を一度に見渡せるので、手探りで探さなくていい。ただし、大きく開いた時に中身がこぼれれば道具として成立しない。だから両サイドにガードフラップを付けました。開いても確認できる。荷物も落ちにくい。それがSYNC SLING FASTのWide Viewです。




そしてもう一つ、背面にはSafeSlotを作りました。理由は単純です。今の時代、スマートフォンを持たずに外へ出る人はほとんどいません。僕自身、外では音楽を聴き、曲もよく変えます。そのたびにメイン収納を開ける気にはなれませんでした。

だから、スマートフォンをサッと入れて、サッと取り出せる場所が欲しかった。ポケットでも済むかもしれません。でも、座る時に気になる。落とす不安もある。だから、すぐ手が届く場所が必要でした。それがSafeSlotです。

普段はスマートフォンを入れる場所として。海外ではパスポートや財布を入れる場所として。外からは目立たず、必要な時にはすぐ取り出せる。開閉にはベルクロを使いました。

ベルクロは安っぽいと思われるかもしれません。でも僕は逆だと思っています。単純で、強くて、速い。壊れる場所が少なく、一瞬で開いて閉じられる。使っているのは、海外から取り寄せたミリタリーレベルのものです。

SafeSlotは、隠すためのポケットではありません。大切なものを、行動のすぐ近くに置くための場所です。バッグの中で探さない。必要なものへ迷わず届く。街での行動を止めないために、この構造を選びました。



街をもっと自由に

SYNC SLING FASTの誕生

SYNC SLING FASTは、特別な技術から生まれたバッグではありません。締める。緩める。開く。見渡す。すぐ取り出す。ただ、それだけです。でも、その「ただそれだけ」が街のバッグには足りていませんでした。

歩く時は身体に固定したい。財布を出す時は、一瞬で身体から離したい。スマートフォンはメイン収納を開けずに取り出したい。バッグの中を探して、動きを止めたくない。どれも、街では毎日のように起きる動作です。

TRAIL ROCKER PANTSやDEAD MAN'S HOODIEは、フィールドや考え方によって合う人を選びます。でも、SYNC SLING FASTが解決したかった不便は、とても普通の場所にありました。

バッグが揺れる。財布が出しにくい。スマートフォンが邪魔になる。中身が見えない。レジで数秒もたつく。その小さな不自由を、多くの人が「そういうもの」として受け入れていた。僕もそうでした。

でも、登山ではそうは考えません。道具が邪魔なら変えればいい。身体に合わないなら調整すればいい。無駄な動作があるなら減らせばいい。SYNC SLING FASTは、その考え方を街へ持ち込んだスリングバッグです。

荷物を持つことで、行動が鈍くなる。僕はそれがずっと嫌でした。バッグを作りたかったというより、荷物に行動を支配されない道具が欲しかったんだと思います。

街を歩く。車に乗る。買い物をする。旅に出る。音楽を聴く。写真を撮る。その流れを、バッグの都合で止めたくない。SYNC SLING FASTは、街での行動を止めないために生まれたスリングバッグです。荷物に縛られず、もっと自由に動くために。

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